家を売っても住み続ける方法はある?リースバックをはじめとした4つの選択肢を解説
公開日:2026.07.26
「家を売ることになったら、引っ越さなければならない」と考えている方は多いかもしれません。
しかし、実際には売却後もそのまま住み続けられる方法がいくつかあります。
この記事では、それぞれの仕組みやメリット・デメリットを比較しながら、自分に合った選択肢を見つけるためのポイントを分かりやすく解説します。
目次
家を売っても住み続けることはできる?
一般的な不動産売却では、買主に所有権が移るため、引き渡し後は退去して新しい住まいへ引っ越す必要があります。「家を売る=引っ越さなければならない」というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
しかし、契約の仕組みによっては、売却後も同じ家に住み続けられる方法があります。代表的な方法としては、リースバックや親族間売買、リバースモーゲージなどが挙げられます。それぞれ所有権の扱いや資金の受け取り方、毎月の支払いなどの仕組みが異なるため、まずは全体像を把握しておくことが大切です。
家を売っても住み続けられる4つの方法
それぞれの方法には特徴があり、向いているケースも異なります。順番に見ていきましょう。
① リースバック
リースバック(リースバックとは?仕組み・流れを名古屋の専門家が解説)は、自宅を不動産会社などの買主に売却し、その後は賃貸借契約を結んで同じ家に住み続けられる仕組みです。売却によってまとまった資金を得ながら、住み慣れた環境を変えずに暮らせる点が特徴です。契約から売却後までの流れについてはリースバックの流れを徹底解説!相談から契約・売却後までの手順と期間の目安で詳しく解説しています。
メリット:引っ越しをせずにまとまった資金を確保できる、家族や近隣との生活環境を維持できる
デメリット:所有権は買主に移り、契約後は家賃の支払いが発生する
向いている人:引っ越したくないが、まとまった資金を確保したい方
② 親族間売買
親族間売買とは、自宅を子どもや親族に売却し、売却後も賃貸などの形で住み続ける方法です。所有権は親族に移りますが、身近な相手であるため契約内容の相談がしやすい場合があります。資産を家族の中で引き継ぎたいという考えから選ばれることもあります。
メリット:家族間で資産を承継できる、第三者に売却するより心理的な抵抗が少ない場合がある
デメリット:親族間であっても売買価格や契約内容を書面で明確にしておかないと、贈与とみなされるなどのトラブルにつながる可能性がある
向いている人:資金力のある親族がいて、資産を身内で引き継ぎたい方
③ リバースモーゲージ
リバースモーゲージ(リースバックとリバースモーゲージの違いとは?仕組み・メリット・デメリットを徹底比較)は、自宅を担保に金融機関から融資を受け、契約者の存命中は返済を先送りできる仕組みです。所有権は自分のまま維持されるのが大きな特徴で、住み慣れた家に住み続けながら資金を確保できます。
メリット:所有権を維持したまま資金を確保できる、住み続けながら生活資金にゆとりを持たせられる
デメリット:年齢や物件種別などの利用条件があり、誰でも利用できるわけではない。将来の相続財産が目減りする可能性がある
向いている人:所有権を維持したまま資金を確保したい方
④ 定期借家契約など特殊なケース
このほか、自宅を売却したうえで買主と定期借家契約を結び、一定期間だけ住み続けるといった特殊な契約形態も存在します。事業者や個人間の合意によって内容はさまざまで、標準的な制度に当てはまらない個別事情がある場合の選択肢となることがあります。
メリット:状況に応じて柔軟な契約を結べる場合がある
デメリット:一般的な仕組みほど普及しておらず、条件交渉に時間がかかる場合がある
向いている人:標準的な制度に当てはまらない、個別の事情がある方
4つの制度を比較
それぞれの制度を、住み続けられるか・所有権・まとまった資金・毎月の支払い・相続への影響という観点で比較してみましょう。
| 項目 | リースバック | 親族間売買 | リバースモーゲージ | その他 |
|---|---|---|---|---|
| 住み続けられる | ○(賃貸として) | ○(親族との契約次第) | ○(所有のまま) | △(契約内容による) |
| 所有権 | 買主に移る | 親族に移る | 本人のまま | 契約による |
| まとまった資金 | ○(売却代金) | ○(売却代金) | ○(融資として) | △(契約による) |
| 毎月の支払い | 家賃が発生 | 家賃が発生する場合が多い | 利息のみの場合が多い | 契約次第 |
| 相続への影響 | 所有権がないため相続財産にならない | 親族の資産として承継される | 融資残高により目減りする可能性がある | 契約による |
このように、同じ「住み続けながら資金を確保する」方法でも、所有権の扱いや毎月の支払い、相続への影響は制度によって異なります。何を重視するかによって、適した制度は変わってきます。
リースバックが向いているケース
4つの方法の中でも、リースバックは次のようなケースで選ばれることが多くあります。
- 老後資金:まとまった資金を確保しながら、これまでの生活を続けたい方
- 教育費:子どもの進学などにあわせて、まとまった資金が必要な方
- 住宅ローン返済:売却資金でローンの完済を目指したい方
- 相続対策:所有権を手放すことで、将来の相続財産を整理しておきたい方
- 引っ越したくない:住み慣れた地域や環境を変えたくない方
一方で、リースバックにはメリットだけでなく注意点もあります。契約後は所有者ではなく賃借人となるため、毎月の家賃が発生し、所有権は買主に移ります。将来的な資産としての持ち家という側面はなくなるため、この点を理解したうえで検討することが望ましいでしょう。メリットと注意点を整理すると、次のようになります。
| 項目 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 住まい | 引っ越しをせず同じ家に住み続けられる | 所有者ではなく賃借人という立場になる |
| 資金 | まとまった資金を早期に確保できる | 売却価格は市場価格より低めになる場合がある |
| 毎月の支出 | 大規模な修繕費などの負担がなくなる場合がある | 契約期間中、家賃の支払いが続く |
住み続けるべきか、売却して住み替えるべきか迷う場合は、家を売るべき?住み続けるべき?後悔しない判断のポイントを解説もあわせてご確認ください。
後悔しないためのチェックポイント
どの方法を選ぶ場合でも、契約前に次の点を確認しておくと、後悔を避けやすくなります。
- 家族と相談したか
- 所有権の扱いを理解したか
- 将来の資金計画を立てたか
- 契約内容を確認したか
- 複数の選択肢を比較したか
自分に合った方法を選ぶことが大切
ここまで見てきたように、家を売っても住み続ける方法は一つではありません。リースバック、親族間売買、リバースモーゲージ、その他の契約形態など、それぞれ仕組みや条件が異なり、ご自身の状況によって最適な制度は変わってきます。
大切なのは、焦って契約を進めるのではなく、複数の選択肢を比較したうえで判断することです。「住み続けられるはず」という前提だけで進めるのではなく、所有権の扱いや毎月の支払い、将来の資金計画まで含めて検討しておくことが望ましいでしょう。判断に迷う場合は、不動産や資金計画の専門家に相談することをおすすめします。
よくある質問
家を売っても本当に住めますか?
はい、リースバックや親族間売買、リバースモーゲージなど、契約の仕組みによっては売却後も同じ家に住み続けることが可能です。ただし、制度ごとに条件や手続きが異なるため、内容を事前に確認することが大切です。
リースバック以外にも方法はありますか?
はい。親族間売買やリバースモーゲージ、状況によっては定期借家契約などの特殊な契約形態も選択肢となります。それぞれ所有権の扱いや資金の受け取り方が異なるため、比較して検討することをおすすめします。
親族間売買は誰でもできますか?
買い手となる親族に資金力があることが前提となります。また、親族間であっても売買価格や契約内容を書面で明確にしておかないと、贈与とみなされるなどのトラブルにつながる可能性があるため注意が必要です。
高齢でも利用できますか?
リバースモーゲージやリースバックは、高齢の方でも利用しやすい制度として知られています。ただし、リバースモーゲージには年齢や物件種別などの利用条件がある場合があるため、事前の確認が必要です。
相談だけでも可能ですか?
はい、契約前の段階での相談も可能です。複数の制度を比較したい場合や、ご自身の状況に合った方法が分からない場合は、無料相談を利用して専門家に確認することをおすすめします。
まとめ
- 家を売っても、リースバックや親族間売買、リバースモーゲージなど、住み続けられる方法は複数ある
- 所有権の扱いや毎月の支払い、相続への影響は制度によって異なり、状況によって最適な方法は異なる
- 焦って契約せず、複数の選択肢を比較したうえで専門家に相談することが大切
家を売っても住み続けられる方法は複数あります。それぞれの制度には特徴があるため、ご自身の状況や将来設計に合った方法を選ぶことが大切です。